Real Data

太陽光を13kWに増設し蓄電池を入れたら、9月の買電は3分の1になった|増設前後の実測比較

カテゴリ:実データレポート / 公開:2026年10月4日

2026年9月7日、我が家は太陽光を4.18kWから13.00kWに増やし、家庭用蓄電池14.3kWhを入れました。増設前の1年間は「太陽光4.18kW+V2H(リーフ)」で暮らしていたので、同じ家・同じ家族・同じ暮らしのまま、設備だけが変わったことになります。この記事では、増設が終わって蓄電池が動き出した9月11日から30日までの20日間を、前年の同じ期間と比べます。調べてみると、この20日間の日射量は前年とほぼ同じでした。天気のせいにも、たまたまにもできない比較です。

1日あたりの買電19 → 6 kWh約3分の1に
電気の自給率43 → 82 %家で使った電気のうち自前の割合
期間中の日射量81.3 / 81.8kWh/m²(2025年 / 2026年)

比べた条件:何が同じで、何が違うか

比べたのは、毎年9月11日から30日までの20日間です。増設工事は9月7日に終わりましたが、蓄電池が動き出したのが11日なので、そこから月末までを取りました。

2024年2025年2026年
太陽光4.18kW4.18kW13.00kW
家庭用蓄電池なしなし14.3kWh
V2H(リーフ40kWh)ありありあり
日射量(期間合計)—81.3kWh/m²81.8kWh/m²
日照時間(期間合計)—169.7時間161.8時間
雨の量(期間合計)—138mm218mm
太陽光の発電311.4kWh—659.6kWh
買電385.8kWh
(1日19.3)
約381kWh
(1日約19)
119.8kWh
(1日6.0)
売電22.2kWh—129.2kWh
家で使った電気
(発電+買電−売電)
675.0kWh
(1日33.8)
—650.2kWh
(1日32.5)
電気の自給率43%—82%

天気は、前年(2025年)とほぼ同じでした。日射量の合計は81.3と81.8kWh/m²で、差は1%もありません。日照時間は今年のほうが少し短く、雨は今年のほうが多めです(9月26〜28日に3日続けて大雨)。天気が良かったから買電が減った、とは言えない条件です。

家で使った電気の量も、1日33.8kWhと32.5kWhでほとんど変わりません。暮らし方は同じまま、設備の違いだけが買電の差になって表れています。

自前(太陽光・蓄電池・V2H) 買電 2024年 増設前 14.5 19.3 計 33.8kWh/日(自給率 43%) 2026年 増設後 26.5 6.0 計 32.5kWh/日(自給率 82%) 自前(太陽光・蓄電池・V2H) 買電 2024年 増設前 14.5 19.3 計 33.8kWh/日・自給率 43% 2026年 増設後 26.5 6.0 計 32.5kWh/日・自給率 82%
図2:1日あたりの「家で使った電気」の内訳(9月11日〜30日の平均)。2024年は当時の記録表、2026年は実測。全体の量はほぼ同じで、買う分が自前に置き換わった。
数字の出どころ
・2026年:自宅のラズパイがパワコンと蓄電池から記録した値(発電・充放電)と、スマートメーター(HEMS経由)の買電・売電。
・2025年:HEMSの「1年前と比較」グラフ(スマートメーターの値)から日ごとの買電を読み取ったもの。1日あたり±1kWh程度の読み取り誤差があります。この年の日ごとの発電・売電は、HEMSで遡れませんでした。
・2024年:当時、HEMSに表示された値を毎日記録していた表。日射のデータはここでは取得していないため「—」にしています。
・日射量・日照時間・雨の量:Open-Meteoの過去の気象データ(自宅の緯度・経度の値)。
・「家で使った電気」は、2026年は蓄電池とリーフの充放電で失われた分と、期間の最初と最後の残量の差も含みます。

日ごとに見ると:晴れの日はほぼ買わなくなった

0 10 20 30 kWh 11 12 13 14 雨 15 16 17 18 雨 19 雨 20 21 22 23 24 25 26 雨 27 雨 28 雨 29 30 9月の日付 2025年(増設前・4.18kW) 2026年(増設後・13.00kW+蓄電池) 雨=2026年の雨10mm以上の日 2025年(増設前) 2026年(増設後) 雨=2026年の雨10mm以上の日 0 10 20 30 kWh 11日 12日 13日 14日 雨 15日 16日 17日 18日 雨 19日 雨 20日 21日 22日 23日 24日 25日 26日 雨 27日 雨 28日 雨 29日 30日
図1:9月11日〜30日の日ごとの買電量。2025年はスマートメーターのグラフからの読み取り値、2026年は実測値。

前年は、晴れていても曇っていても毎日8〜29kWhを買っていました。太陽光4.18kWでは昼の分をまかなうのがやっとで、夕方から朝までの電気はほとんど買うしかなかったからです。

今年は、晴れた日(9月16・17・21〜25・30日)の買電が1日0.2〜4.3kWhまで減りました。昼に余った電気を蓄電池とリーフに貯め、夜はそれを使っているからです。期間中、蓄電池とリーフから家に出した電気は1日平均で約15kWhありました。

それでも晴れの日に少し買っているのは、明け方に蓄電池が空になるからです。たとえば9月30日は、朝7時の蓄電池の残量が4%でした。日が昇って発電が家の消費に追いつくまでの間は、電力会社から買っています。

雨が続くと、増設前と同じくらい買う

いちばん分かりやすかったのが、9月26〜28日の3日間の大雨です。

日付雨の量発電買電何が起きたか
9月25日0mm35.7kWh0.7kWh晴れ。蓄電池とリーフに貯まった
9月26日49mm3.6kWh1.4kWh前日に貯めた電気で、ほぼ買わずに済んだ
9月27日54mm6.6kWh23.5kWh貯めた電気を使い切り、買電が戻った
9月28日67mm9.8kWh28.1kWh増設前の雨の日と同じくらい

貯めた電気でしのげるのは、雨の1日目まででした。2日目からは発電がほとんどないので、太陽光を3倍にしても、蓄電池を入れても、増設前と同じくらい買うことになります。

この「雨の日の買電」は、量は減らせなくても、買う時間を夜に寄せることはできます。我が家では9月28日の夜から、翌日の天気予報で発電が足りないと分かった日だけ、前日の夜(0〜5時)に安い夜間電力で蓄電池を満たす制御を自宅のラズパイで動かしています。昼の高い時間帯に買う分を、夜の安い単価に置き換えるためです。

お金に直すといくらか

1日あたりの買電は、約19kWhから約6kWhへ、約13kWh減りました。これを我が家の料金プラン(オール電化の時間帯別)で換算すると、次のようになります。

実際はその間に入り、30日に直すと8,000〜12,000円ほどの差になります。増設前は夜間の安い電気をリーフに貯めて昼に使っていた時期もあるので、実際の差は下のほうに寄るかもしれません。正確な金額は、10月の検針票で前年同月の請求額と比べて、この記事に追記します。

なお、今年は20日間で129.2kWhを売電しています。ただ、増設した分の系統連系の手続きがまだ終わっていないため、この売電がどう精算されるかは確認中です。ここでは売電収入を計算に入れていません。

太陽光と蓄電池の費用を何年で回収できるかは、9月のような発電の多い月だけでは判断できません。冬の実測がそろったところで、年間の収支としてあらためてまとめます。

ここから分かったことと、冬への宿題

同じ家・同じ暮らし・ほぼ同じ日射で比べて分かったのは、次の3つです。

  1. 晴れの日の買電は、ほぼなくせる。太陽光を増やしただけでなく、蓄電池とリーフに貯めて夜に回せるようになったことが大きい。
  2. 雨が2日続くと、増設前と同じくらい買う。減らせない分は、夜間の安い時間に寄せるしかない。
  3. 明け方の数kWhは、蓄電池14.3kWhでは届かない。晴れの日でも、日の出前後に少し買っている。

そして、9月の結果をそのまま冬に当てはめることはできません。増設したLONGiのパネル18枚のうち9枚は北北東の面にあり、太陽が低い冬はこの面の発電が大きく落ちます。日射のデータと屋根の向きから計算すると、12月の発電は増設前の約2倍にとどまり、買電は2割ほどしか減らない見込みです。この見込みが当たるかどうかは、この冬の実測で答え合わせをします。途中の経過はトップページの「いま確かめていること」にも載せています。

まとめ

日ごとの発電・消費・売買電・充放電は、電力収支ノートで毎日更新しながら公開しています。この記事の数字も、そこから取り出したものです。増設した構成(パワコン2台と蓄電池)についてはパワコンを2台にする意味とは?で、蓄電池を入れると決めた理由はV2H派だった我が家が、蓄電池も導入した理由で紹介しています。ご自宅の検針票で同じような試算をしてみたい方は、シミュレーターをお使いください。

本記事は筆者宅(福岡県)での実測にもとづく一例です。発電量や買電量は、屋根の向きと勾配・周辺の影・天候・家族の暮らし方・料金プランによって大きく変わります。金額は概算で、実際の請求額とは異なる場合があります。特定の商品やサービスを推奨するものではありません。