オール電化の電気料金プランの選び方
オール電化住宅では、時間帯によって電気の単価が変わる「時間帯別プラン」が一般的です。太陽光や蓄電池がある家では、このプランの特性を理解して使うことで電気代を大きく抑えられます。この記事では、プラン選びの基本と、太陽光・蓄電池がある家ならではの考え方を、具体的な数字とともに解説します。
時間帯別プランとは
多くの電力会社が、オール電化向けに夜間の電気が割安になるプランを用意しています。一般的には、深夜〜早朝(例:22時〜翌8時)の単価が安く、昼間の単価が高く設定されています。
これは、電力需要が少ない夜間に電気を使ってもらうことで、電力の需給バランスを取りやすくするためです。エコキュート(給湯)を夜間の安い時間に沸かすのが典型的な使い方で、オール電化住宅の設計はこのプランを前提にしていることが多いです。
単価の一例を挙げると、夜間が20円/kWh前後、昼間が30〜40円/kWhというように、時間帯で1.5〜2倍の差がつくプランもあります。この差をどう活かすかが、電気代を抑える鍵になります。
太陽光・蓄電池がある家での考え方
時間帯別プランと太陽光・蓄電池は、非常に相性が良い組み合わせです。基本戦略は次の通りです。
- 昼間:太陽光で発電した電気を自家消費。足りない分だけ買う(昼間単価は高いので、なるべく買わずに済ませたい)。
- 夜間:太陽光で発電できないが、単価が安い。蓄電池に貯めた昼間の電気を使い、それでも足りなければ安い夜間電力を買う。
- 冬など発電が少ない時期:安い夜間電力を蓄電池に貯めておき、単価の高い昼間に放電して使うことで、高い昼間買電を避けられる。
「夜間に貯めて昼に使う」は得か?効率で決まる
時間帯別プランでよく話題になるのが、「安い夜間電力を蓄電池に貯めて、高い昼間に使えば得なのでは?」という発想です。これは半分正しく、半分は注意が必要です。
蓄電池には往復の変換ロス(一般に効率85〜90%)があるため、夜間20円で貯めた電気の実質単価は「20円 ÷ 0.87 ≒ 23円」ほどになります。昼間単価が30円なら、23円で使えるので差額7円の得です。しかしV2H(効率65%前後)で同じことをすると「20円 ÷ 0.65 ≒ 31円」となり、昼間30円とほぼ変わらない、あるいは逆に高くつくことすらあります。
つまり「夜間に貯めて昼に使う」が得かどうかは、使う設備の効率と昼夜の単価差で決まります。単価差が大きく、効率の良い蓄電池を使うほど有利になります。この計算は感覚では判断しづらいので、シミュレーターで実際の単価を入れて確かめるのが確実です。
プランを選ぶときの注意点
1. 昼夜の単価差を確認する
プランによって、昼間と夜間の単価差は異なります。蓄電池で時間シフトをするなら、単価差が大きいほどメリットが出やすくなります。逆に、昼夜の差が小さいプランでは、時間シフトの旨みは薄くなります。契約前に、自分の使い方(昼と夜のどちらに多く使うか)とプランの単価構成が噛み合っているかを確認しましょう。
2. 燃料費調整額と再エネ賦課金
電気料金は、基本の単価に加えて「燃料費調整額」と「再エネ賦課金」が上乗せされます。燃料費調整額は燃料価格に応じて毎月変動し、プラスにもマイナスにもなります。近年は燃料高騰でプラスになる月が多く、実効単価が公表単価より数円高くなることも珍しくありません。実際の支払額を試算するときは、これらも含めて考える必要があります。
3. 基本料金・最低料金の考え方
太陽光・蓄電池で自家消費を徹底すると、買電量が大きく減ります。ただし、多くのプランには「基本料金」または「最低料金」があり、電気をほとんど買わなくてもこの分は毎月かかります。自家消費で買電をゼロ近くまで減らせても、電気代が基本料金より下がることはありません。この「下限」を理解しておくと、削減額の見積もりが現実的になります。
4. 新電力という選択肢
大手電力会社以外にも、さまざまな新電力会社がプランを提供しています。市場連動型など特徴的なプランもあり、自分の使い方に合えば大手より安くなることもあります。一方で、市場連動型は電力市場が高騰した局面で単価が跳ね上がるリスクもあるため、仕組みを理解したうえで選ぶことが大切です。
卒FIT後はプランの見直しも
FITの買取期間(10年)が終わると、売電単価が大きく下がります。この「卒FIT」のタイミングは、電気料金プランと売電先を見直す good なきっかけです。売電単価が下がるほど、余剰を売るより自家消費に回す価値が高まるため、蓄電池の追加や、自家消費を前提としたプランへの切り替えを検討する家庭が増えています。すでに太陽光がある家は、卒FITの時期を意識して、早めに次の一手を考えておくと安心です。
まとめ
- オール電化では夜間割安の時間帯別プランが基本
- 太陽光の自家消費+蓄電池の時間シフトで、高い昼間買電を避けるのが王道
- 「夜間に貯めて昼に使う」が得かは、設備の効率と昼夜の単価差しだい
- 昼夜の単価差、燃料費調整額、基本料金の下限、新電力まで含めて比較する
- 卒FITはプランと売電先を見直すタイミング
電力会社・プランごとの試算は、シミュレーターで電力会社を選ぶか、単価を手動入力して行えます。昼夜別の単価や燃料費調整額まで反映して、実際の削減額を計算できます。